今日は謎の仮想通貨,JPYCを紹介します。JPYCの概要及びその将来性を紹介します。
日本のニュースでもよく見るけど、なんとなくしかわかってない人も多いわよね。
ステーブルコイン/JPYCとは
ステーブルコインの概要
ステーブルコインの概要
ステーブルコインとは法定通貨(ドルやユーロ、円)に対して同程度の価値を持つことを目指したコイン
どうやって法定通貨と同程度の価値に結びつけていくかは各通貨でアプローチ方法が異なる
価値担保型【USDT,USDC,BUSD,JPYC】やアルゴリズム型【DAI,AMPL.UST】等が存在する
ステーブルコインの利用シーン
海外の仮想通貨取引所では日本円や米ドルでの取引が出来ないことが殆どだが、仮想通貨市場では価格の変動が大きいため法定通貨ベースで保有する資産価値を保証するために使われる。利確や納税資金確保、更なる大きな利益追求に欠かせないものです。
仮想通貨取引所からの出金、出庫での送金には1時間~最長1週間のタイムラグがあったり、私達日本人は海外取引所に直接ドルやユーロを送ることが出来ないため、一定額を法定通貨の価値があるコインで持つことで利確や暴落回避をすることが出来ます。
現状ステーブルコインは常に供給が足りていないので、レンディング等で貸し出すと利率が5~20%と高くなる傾向があるね。ブロックチェーン上で使える取り回しの良さから決済での使用にも期待されていたり仮想通貨の発展に欠かせないものになっているよ。
ステーブルコインには問題点もあって、価値担保型は発行主体が倒産したりするとコインの価値が担保されなくなったり、アルゴリズム系のステーブルコインは悪意ある攻撃によってその価値を毀損したりします。
JYPCの概要
JPYCの概要
JPYC社が発行する日本円にペグ(価値が連動)するステーブルコイン
正規名称はJPY COIN
2022年5月15日時点では、資金決済法上の自家型前払式支払手段
Ethereum上で使用できるトークン規格(ERC20)やMATIC、ASTR等で発行されているマルチチェーンのコイン
銀行振込(もしくは仮想通貨での購入)をすると自分の仮想通貨ウォレットに送付される
つまりJPYC自体はEthereumやMATICのチェーン上で使用することが出来ますが、支払手段であるため仮想通貨ではありません。
JPYCがどうやって価値を担保しているか
JPYCの価値の担保の仕方
自家型前払式支払手段として一定の時間間隔で未使用残高の100%+1000万円を関東財務局に供託しているためJPYC社が今日なくなっても、JPYCの価値が保たれるであろう可能性が高い(法律上は未使用残高の50%以上の供給が必要)
Vプリカギフトやgiftee Box等限られたシーンで現金のように使える残高を1JPYC=1円で交換するサービスを行っている
現在のJPYCの状況
現在のJPYC
2022年5月10日に総発行額が10億円を突破
JPYCを現金やその他支払い手段と同等に使えるサービスプロバイダーを増やしている(松屋銀座や川根本町宿泊券等)
Ethereumやその他ブロックチェーン上のアプリケーション(UNISWAPやQUICKSWAP等)で概ね1JPYC=1円の価値で流通している
UNISWAP等でJPYCの流動性供給を行うと報奨金が貰えるプログラムを実施している
BINANCEやCOINBASE、その他大手取引所には上場していない
2022年5月現在では1JPYCが1円を少し下回る形でUNISWAP等では推移しています。これはUSDTやUSDCのように大手取引所に上場されていないためその分のニーズが満たせていないためだと思われます。逆に考えるとJPYC社が1円相当の価値でVプリカやギフティーに交換してくれるためお買い得とも言えます。
JPYCの将来
ステーブルコインの将来性
今のところJPYC社が会社として利益を出すようには見えないのだけど、将来性はあるの?
JPYCの将来性はステーブルコインの将来性と連動します。ステーブルコインの発行主体のメリットは以下のとおりです
将来的なステーブルコインの見通し
イーサリアムやその他ブロックチェーンは既存の商取引を効率化して進化させるプラットフォームを目指している
そのプラットフォーム上で法定通貨と同等の価値を持つコインは常に強いニーズが予想される
法定通貨と同様の価値を持つコインを発行する会社は様々なサービスを包括する企業になり得る。イーサリアムやビットコインの価値は今後も一定にはならないため。
VISAやMASTER等の決済サービスの一部を代替することで手数料収入を得られる可能性もある。
その証拠としてUSDTは発行総額が760億ドル(約9兆円)USDCは500億ドル(約6兆円)と発行量を伸ばし続けている
つまりブロックチェーン上で使用できる法定通貨ペッグのコインを発行できる会社はビジネスの広がりがあったり、規模の優位性を持ってステーブルコイン単体でも利益を出すことの出来る体制を確保出来るかもしれないね。
これだけの将来性がありながら日本にはステーブルコインを発行する会社が殆どありません。なぜでしょう?
日本はどうしてステーブルコインの会社が少ない?
日本政府及び金融庁自体が仮想通貨に後ろ向きである。仮想通貨に付随するステーブルコインにも協力的な姿勢が乏しく、不明確なルールが多い
ステーブルコインはすぐに収益を見込めるビジネスではないため保守的な日本の銀行やベンチャーキャピタル等が資金を貸しづらい
JPYCが目指す将来
日本では足元のビジネス環境が良くないも関わらず、JPYC社はどうしてビジネスを続けるのでしょうか。ここからは私の予想となりますがJPYC社の目指す将来を書いていきます。
JPYCが目指す将来
ブロックチェーン(特にイーサリアム)の将来性は高く見られておりそこで日本円と同等の価値を持つコインは将来的に核になるビジネスになる可能性が高い
規制が不明確でライバルがいないからこそ、面倒な規制機関や政府との対話を重ねて独占的なステーブルコインの発行体のポジションを狙っている
日本の仮想通貨の銀行的なポジションを狙っている
JPYC社は短期的な利益を見込んでおらず、将来の大きな利益を狙っている
これだと漠然としすぎてるから直近の将来性も教えてよ
直近で期待出来るJPYCの取り組み
現金と同様に使用できるサービスの提携先を増やす
前払式支払手段(自家型)だけではなく別の金融商品を取り扱う免許も保有することで発行できる資産の幅を増やす
担保する現金の供託率を減らしてその分を仮想通貨のサービス開発に使える
グローバルな大手取引所に上場することで使用されるシーンを増やす
発行額を今の10億円から1兆円以上に増やす
日本円の流通総額は120兆円と言われています。USDTやUSDCの発行総額が6~9兆円ほどあることを当面は発行額の拡大に注力していくと思っています。
JPYCに対してよくある批判
短期的な利益を求めておらず、しかもステーブルコインというジャンルからJPYCには様々な批判がよせられることがあります。その批判に私KENが自分なりの考えを回答していきます
批判1
そもそもドルに連動するUSDCやUSDTがある中であえて日本円に連動するステーブルコインのニーズは少ない
回答::ドルに対しても日本円のレートは常に変わっている。2022年3月にはドルの価値が日本円建てで上がり多くの納税を控えたホルダーが得をした。しかしながら特に高い仮想通貨の税率を誇る日本においては10%の価値下落が致命傷になりかねず、もし今回と逆にドルの価値が下がった場合に損をするホルダーが増えてしまう。適切なリスク管理をもとに収益の機会を最大限獲得するためには日本円建てのステーブルコインは必須
批判2
将来的にCBDC等で政府が円建てのステーブルコインを発行するためステーブルコインは不要
回答:これは完全な間違い。CBDCが発行されても政府がイーサリアムチェーン上で発行するとは考えられない。なぜなら商取引に対するアプリケーションに政府が介入した事例がなく実行能力があるかすらも怪しい。現に今現在でもPAYPAYやLINE PAY、楽天PAY等が決済手段を狙ってしのぎを削っている。CBDCが日本で出来たとしてもそれはイーサリアムでは発行されず、独自チェーンやデータベースになりそう。結局イーサリアムに渡すときにイーサリアムベースのステーブルコインが求められると思う。したがってイーサリアムチェーン上で独自のステーブルコインを発行する会社が求められると思う
*中国では政府がAlipayやWechatPay等に制裁を課しており、国民の決済内容を把握したい政府の意向が強く出ています。そのため政府主導のパブリックブロックチェーン上のステーブルコインが出てくる可能性があるかもしれません。体制が似ているロシア等でもその可能性は否定できないです。
批判3
ステーブルコインのビジネス単体で利益を出すことは出来ない。
ステーブルコインのビジネスは決済手数料や余った残高の運用などが考えられます。PAYPAYが巨額の赤字を毎年出しながらも事業を継続するモチベーションは決済手数料という大きな利益を狙っているからに他なりません。決済手数料のみならずさらなるビジネスの広がりが期待される仮想通貨業界ではそれ以上の利益が見込めると考えています。
まとめ
まとめ
ステーブルコインのビジネスは将来性が高い
同様にJPYC社は将来的な期待値はある
JPYC社は短期的な利益を求めていない、長期的な経営を行っている
JPYCは将来的に大きな利益を生み、日本の仮想通貨業界を支える会社になるかもしれません。なお私はJPYC社とはなんの関係もなく本記事の作成にあたって金銭の受領などを行っていないことを最後に念のため記載します。