ロシアの上場企業には魅力的な会社が多い一方で知名度の割に魅力的でない株式も結構な数あります。
外貨を稼げないがために不良債権化している会社もじつは多かったりするね
ポイント
ドルやユーロを稼げない会社は配当や将来性も魅力的でないこと多数
ロシアの政府系企業は利益の50%弱を配当に回すプログラムを提供しているが、逆に言うとこのプログラムをがない企業は配当を出したり株価を上げるモチベーションが少ない。
投資におすすめできないロシア企業
マグニット/Magnit
マグニットはロシアのスーパーの会社です。ロシア全土に大小含めて12000店舗を構える大型チェーンです。西友が日本で300店舗、イトーヨカドーが130店舗なことを考えるとその規模の大きさがわかりますね。
マグニットの事業内容
スーパーマーケットの運営
マグニットの会社情報
売上高:5447億ルーブル(約1兆円) 2021年度
利益:89億ルーブル(約100億円)2021年度
株価:4750ルーブル 2022年4月29日現在
時価総額:4737億ルーブル(約8000億円)2022年5月11日現在
株価収益率(PER):9.66
一株当たり利益(EPS):491.7ルーブル
直近配当利回り:12.39% 2022年5月11日現在
小売でも配当利回り10%を超える魅力的な銘柄に見えますがロシアでのスーパーマーケット市場は飽和しており、同価格帯のディクシー、ペチョロチカやもう少し安いヴェルヌィーと比べた優位性は見えないです。強みがロシア全土のネットワークですが新規出店の余地が少ないためいつまで高配当を維持できるのか不透明です。
イルクート/Иркут
イルクートはロシア民間の航空機メーカーです。今の世の中には珍しく、設計、製造、メンテナンスと全て請け負っています。民間航空機だけではなく軍用航空機も請け負っています。軍需産業銘柄の一つでもあります。
イルクートの事業内容
航空機の設計、製造、保守
イルクートの会社情報
売上高:2000億ルーブル(約4000億円) 2021年度
利益:200億ルーブル(約300億円)2021年度
株価:25.3ルーブル 2022年4月29日現在
時価総額:5200億ルーブル(約9000億円)2022年5月11日現在
株価収益率(PER):26.51
一株当たり利益(EPS):0.95ルーブル
直近配当利回り:11.3%
イルクートは民間航空機も絶好調で作っていますが、業績の波が激しいです。割安銘柄に見えるかもしれませんが政府系企業ではないためこの配当を出し続けるインセンティブが見えません。民間航空機も新型のニュースが一進一退で博打性が高い銘柄になります。
カマズ/КАМАЗ
カマズはロシアのトラックメーカーです。軍用の車両も作っていますがあくまで輸送用車両のイメージが強いです。
カマズの事業内容
輸送車両の設計、製造、保守
カマズの会社情報
売上高:1500億ルーブル(約3000億円)2021年度
利益:40億ルーブル(約80億円)2021年度
株価:102ルーブル 2022年5月11日現在
時価総額:720億ルーブル(約1400億円)2022年5月11日現在
株価収益率(PER):17.83
一株当たり利益(EPS):5.72ルーブル
直近配当利回り:0.53%
言わずもがな、軍需産業は配当を出すモチベーションが低く、なおかつビジネス自体も低収益体質なのでインフレが進むルーブルで買いたくない銘柄の一つです。
まとめ
やはり株主のほとんどがロシア国内にいる会社は投資対象としてはみにくいですね。冒頭にも申し上げましたが外貨を稼げる企業以外は割安でも投資対象から外して、同業種の米国銘柄を買いたいですね
レイセオンやボーイング。スーパーだとウォルマートとかでいいよねって銘柄な気がするよ