イーサリアム上のDeFiネットワークは2022年半ばにはトークン価格が軒並み最高値から9割以上の下落をしています。しかしながら一部のトークンに関しては再び日の目を見る可能性があります。
今から紹介する5つのDeFiはイーサリアム上でのインフラ的の役割を担う可能性が極めて高く、
将来的に大きくそのトークン価値を伸ばす可能性を秘めています。
今日はその5つのDeFiとその概要を紹介します。
DeFiってなんだかよくわからないけど、インフラとして機能するなら存在だけ知っておけばいいのかな?
イーサリアム上のDeFiとその現状
先日の記事でも紹介した通り、イーサリアムは世界の取引を担うプラットフォーム(=ワールドコンピュータ)を目指してもう一歩のところまで来ています。
次世代の基盤として使用される確率が、現状では一番高いイーサリアム上で展開されるプロジェクトは数多くありますが、主に2つの種類に分かれています。
2つの種類のプロジェクト
イーサリアムがワールドコンピュータとして活躍するために下支えするプロジェクト
ゲームやNFT等、セキュリティ性が高いイーサリアムで行うとメリットがあるプロジェクト
イーサリアム上のDeFIは数え切れないほどありますが、今回紹介する5つは前者の【イーサリアムを下支えするプロジェクト】です。独自の成功と併せて、イーサリアムの成長と連動する要素が強いです。
イーサリアムネットワーク上のDeFiの本命5つ!
MakerDAO
まずはじめに紹介するのはMakerDAOです。MakerはETHを担保にすると、DAIというトークンを発行できるアプリケーションです。DAIは米ドルに価値が連動するようにシステムで制御されており、イーサリアムの使用用途を増やした実績があります。私がもっともおすすめするプロジェクトの一つです。
イーサリアムの実需を2018年~の仮想通貨冬の時代に提供したことから、「イーサリアムの救世主」と呼ばれていたこともあるね。
MakerDAOの特徴
イーサリアムを担保に米ドル連動のトークン、DAIを発行することができる
最近ではUSDCやBAT等イーサリアム以外のトークンも担保にすることができる
担保にしたDAIを返却し、ETHを取り戻すときに独自トークン、MKR支払いでの精算が必要
今はMaker財団によって運営がされているが、将来的にはMaker財団を解体して分散型組織での経営を目指している
MakerDAOの実績
実需として取引手数料ぐらいしかなかったETHの実需を新たに作り出した
法定通貨に近い性質があるトークンを、特定の管理者なしで運営する基盤を作り出している
非担保型のステーブルコインの中では群を抜いた信頼性がある
独自トークン、MKRはMakerDAOがある限り価格が上がり続ける仕組みのためヘッジとしての保有に適している
最近のMaker財団は混迷しているという意見もありますが、もともとの設計が優れていること、また担保提供に寄らない発行元を信頼しなくて良いドルベーストークンの先駆者として今でもイーサリアム史上最高のDeFiの呼び声が高いです。
Uniswap
次に紹介するのがUniswapです。分散型のトークン取引所ですね。トークンを交換するだけならどこでも同じなのですが流動性供給という、交換する対象のトークンを提供することで手数料を貰えるようになりました。
今までもイーサリアム上の分散型取引所には、KyberNetwork等があったのですが、ユーザーを巻き込んだインセンティブプログラムが好評を博して、今では世界的な取引所に並ぶ人気を博しています。
Uniswapはもともと、ガス代が安いだけの変なDEXという印象だったけれども、今では世界中の人が使うインフラになっているからすごいよね。簡単に誰でもトークンを上場させることができる手軽さ、そしてそれを悪用したはめ込みなど投資の裏表が存分に詰まったDeFiだね。
Uniswapの特徴
分散型取引所でナンバーワンの利用者数と流通額を誇る
誰でも簡単に取引所運営に参加することができ、手数料収入を得ることができる
自分が作ったトークンも、簡単に上場させることができる
Uniswapの実績
イーサリアム上のトークンの交換をとても手軽に行えるようにした
Uniswapを使ったことがあるユーザーに30万円~3億円のエアドロップを行い、2020年の仮想通貨ブームの火付け役になった
流動性供給プログラムによって、誰でもトークンを預けて収入を得ることができるようにしたため、時価総額が低いトークンの実需ができ、全体的に極端な値動きを抑制するようになった。
Uniswapは一時期SushiSwapというコピペプロジェクトから挑戦状を突きつけられましたが、今では分散型取引所としては独走の状態です。これはアグレッシブに動きすぎてSushiswap側が自滅した要素も強いのですが、優れた知見をもとに慎重に立ち回るUniswapチームの賜物だと思っています。
Curve Finance
次に紹介するのがCurve Financeです。これはUniswapのような分散型取引所なのですが、大きな違いが1つ。
USDTやUSDC、DAI等のステーブルコイン同士の専門取引所なのです。
そんなの意味ないんじゃない?と直感的には思うのですが、USDCやUSDT等は別の通貨として存在しているため、その価格が常に同じ価格になる保証はありません。最近ではTUSD(LUNA)が暴落しました。なんらかのニュースや要因で上下するステーブルコインをそもリスクに見合って価値をなるべく公正に保持することを目標としています。
Curveの特徴
USDCやUSDT、DAI等のステーブルコイン専門の分散型取引所
別通貨である無数のステーブルコインの価値を信頼度が高いものの価値を助ける役割がある
機関投資家の鞘抜きのような事ができるため、大口のユーザーは比較的低リスクで儲けを出すことができる
Curveの実績
価値が微妙に異なるステーブルコインの価値を、公正にフラットにした
将来的にイーサリアムで行われるドルベースでの取引を更に確実なものにした
ステーブルコインはイーサリアムがワールドコンピュータとして使われるときに、信頼度の高いドルベースのトークンがなるべくドルと同じ価値を持てるように支援するものです。外野から見るとその価値はわかりにくいですが、MakerやUniswapに引けを取らないくらいの重要なインフラプロジェクトです。
Compound
Compoundは日本語で複利、いわゆる利子のことです。
今まではお金を借りるには銀行や町金に行く必要がありました。
今の時代では借りる側も貸す側も、Compoundを介して行うことができます。
借りる側は担保を提供することでタイムリーな需要と供給に即した利率で借りることができます。
貸す側は今まで法律的な制約でできなかった範囲まで貸付を行い貸出料を稼ぐことができるようになりました。
Compoundの特徴
個人間でのイーサリアム上のトークンの貸し借りを仲介するDeFi
トークンをCompoundに預けることで、他のユーザーがそのトークンを借りることができる。
タイムリーに需要と供給を反映しているため、借り手も貸し手も納得感がある取引を行うことができる
Compoundの実績
余剰のトークンを自分で運用することなく、安全に運用できる選択肢を提供した
稼げるトークンCOMPはCompound上で議決権行使が可能であり、ユーザー目線の運営ができるようになった
イーサリアム上でトークンを貸し借り出来る新常識を作り出した
Compoundは他のDeFiと比べると利率などは控えめです。しかしながらトークンの貸し借りを簡単に、かつ透明にした実績は大きく、今でもイーサリアム上のDeFiランキング上位に常にランクインしています。
イーサリア厶上でトークンを持っていれば、それを担保にもっと大きい金額を借りることができたり、特に税制が不利な日本では含み益があるトークンを売却せずに手元に法定通貨を調達出来る手段として、数あるブロックチェーンプロジェクトの中でイーサリアムがもっとも使われる決定打になりました。
Synthetix
最後に紹介するのはSynthetixです。日本語では「合成」を意味するこのDeFiはイーサリアム上で法定通貨や株式、金や石油などのコモディティの価格と連動するトークン(合成資産)を生成・取引することが可能です。
投資界隈では、卵を一つのかごに入れないという格言があるなど、とにかくリスクを分散させたほうがいい傾向が強いです。暗号資産の世界に既存世界の資産の価値も取り込んでしまい、イーサリアムを世界中の価値を包括するプラットフォームにする一つの足がかりとして注目されています。
Synthetixの特徴
法定通貨や伝統的な資産価値と連弩するトークンをイーサリアム上のトークンを担保に発行することが出来る
SNXという独自トークンは資産を合成(作り出す)際に手数料して使われている
ドルベースのDAIを作り出すMakerDAOと方向性は似ている
Synthetixの実績
イーサリアム上で既存の伝統資産の担保提供なしで、伝統資産にアクセスする方法を切り開いた
新しい価値を持った資産を合成、取引する統合的なプラットフォームを作り出した
リスク管理を徹底しており、大口のユーザーだけが触ることが出来る仕組みを完成させた
Synthetixはイーサリアム上に存在しないクラスの資産すらもイーサリアムネットワーク上にねじ込むプロジェクトとして活躍をしています。賛否はありますが、今後イーサリアムがワールドコンピュータとして使われる際には様々な応用が効くため便利なDeFiとして使い続けられることが予想されます。応用の内容については説明が難しいので今回は割愛します。
まとめ
今回紹介した5つのDeFiプロジェクトはイーサリアムでの取引をもっと便利に、クリエイティブにするためのプロジェクトです。イーサリアムが世界的な取引プラットフォームとして活躍するに連れて、その恩恵をETH以上に受ける可能性すらあります。
DeFi界隈でMakerDAOが更に別格なのですが、特に有用度や運営チームの活躍等総合的に評価した結果、この5つを紹介させていただきました。
日本で取引することが出来るのは2022年7月現在ではMKRとDAIだけだね。海外取引所は国内取引所に増して自己責任が求められる世界だから取り扱いには気をつけてね!